非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定/実務への指針2

ginkouhoumu

相続の取扱いは金融法務の重要な一角を占め、多数の判例や先例が集積されているが、金融取引や家族関係の変化等を背景に新たな問題も生じてきている。

このような中、注目すべき裁判例がいくつか示されており、金融取引と関連の深いものも見受けられるため、ここにまとめて採り上げてみたい。

判例1:非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定が違憲とされた事例(最大決平成25・9・4金融・商事判例1425号18頁)

3-2.実務への指針(2)

(続き)

さらに、本決定は、可分債権や可分債務については、権利行使や弁済では法律関係が確定したとはいえず、裁判や当事者の合意により終局的な分割が行われた場合にはじめて法律関係が確定するとしている。

銀行は、近年では、法定相続分の範囲内で各相続人の単独の払戻請求に応じる場合があると思われるが、本件規定の適用が排除されると法定相続分が遡って変更され、過払いが発生している可能性がある。

預金の払戻しに関しては、債権の準占有者に対する弁済(民法478条)により概ね有効とされると思われるが、問題なのは貸付金の回収である。

債務者が死亡し相続人が複数の場合、その内の1人が免責的に債務を引き受け、他の相続人が連帯保証するのが通常の手続と思われるが、相続人間で協議が整わなかった場合は、各相続人が法定相続分に従って債務を引継することになる。

この法定相続分が遡って変更された場合、一方で超過回収分が発生し他方で未回収分が発生するが、法定相続人との関係を個別に検討すると、債務額を超える金額を弁済した相続人については、不当利得返還請求が認められる余地があるように思われる。

このような例が現実に存在するかどうかは明らかでないが、民法に従って弁済を受けた銀行が不利益を受ける理由はないから、遡及適用を制限する判旨に照らし、弁済には影響しない形での解決が望まれる。

2016年1月26日