郵便定額貯金

ginkouhoumu

金銭債権は、原則として可分債権であるとされてきたが、近時、例外となる判例が見られるようになってきている。

銀行等が取扱う金銭債権のうち、預金については可分債権であることに特に問題はないが、郵便定額貯金については相続に関連して可分債権性が争われてきた。

郵便定額貯金は「一定の据置期間を定め、分割払戻しをしない条件で一定の金額を一時に預入する」郵便貯金であり(旧郵便貯金法7条1項3号)、民営化後もすでに預け入れられた郵便定額貯金については、同法の適用があるとされている。

分割払戻しができないとされていることから、相続が開始した時に、分割債権として取り扱われるべきかどうかで争われたものである。

下級審の裁判例としては、分割債権として取り扱うことについて、消極、積極の例があったが、最高裁は、郵便貯金法の分割払戻しを禁じる趣旨は、多数の預金者を対象とした大量の事務処理を迅速かつ画一的に処理する必要上、預入金額を一定額に限定し、貯金の管理を容易にして、定額郵便貯金にかかる事務の定型化、簡素化を図ることにあるとし、相続による分割は趣旨に反すること、分割払戻しをしない条件が付されている以上、共同相続人は共同して全額の払戻しを求めざるを得ず、単独でこれを行使する余地はないのであるから、相続により分割されると解する意義がないことから、同法は同債権の分割を許容するものではなく、同債権は、その預金者の相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないと判示した(最判平成22・10・8金融・商事判例1360号38頁)。

定額郵便貯金についての最高裁判決は、分割払戻しの制限が法令に基づく場合についての判断を示したものであり、それが契約に基づく場合については判断を留保していると解されている。

2015年2月19日