払戻請求が遺言執行者の職務権限に含まれるとされた事例/本判決の概要(1)

ginkouhoumu

遺産である預金債権を特定の相続人に相続させる旨の遺言がされた場合に、払戻請求が遺言執行者の職務権限に含まれるとされた事例(東京地判平成24・1・25金融・商事判例1400号54頁。確定)

2.本判決の概要(1)

相続させる遺言においても、遺言の内容に応じて、「遺言の執行に必要な行為」であるか否かの観点から遺言執行者の職務権限について検討する必要があり、金融機関においては、遺言書がある場合の受益相続人からの預貯金の払戻請求に対しては、相続人全員の承諾等を証する書面や印鑑証明書の提出を求める取扱いを原則としているところも少なくないことから、相続人全員の協力が得られなければ円滑な遺言の実現が妨げられることになりかねない。

とすれば、かかる遺言の場合の預貯金債権の払戻しも遺言の執行に必要な行為に当たり、遺言執行者の職務権限に属すると解するのが相当である(判旨ⅰ)

2016年9月27日