意向把握義務の充足

ginkouhoumu

保険業法改正案では、保険窓販に際して、銀行において、顧客ニーズの把握および当該ニーズに合った保険プランの提案等を行うことが法律上義務付けられている。

本規定が修正されずに成立した場合、保険窓販を行う銀行は、意向把握義務として、次の3点の充足を求められることになる。

1.顧客の意向の把握
2.顧客の意向に沿った保険契約の提案及び当該保険契約の内容の説明
3.保険契約の締結等に際して顧客の意向と当該保険契約の内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供

そして、これらは、その過程で、当該顧客において当該保険に加入する理由を明示的に理解できるようにするものである必要があると思われる。

もっとも、現実の保険窓販に際して、具体的にいかなる方法で前記1から3を充足しなければならないかは保険業法改正案には特に規定されていない。

このため、この点は個々の銀行の創意工夫に委ねられることになる(ただし、今後の保険監督指針改正により、前記1から3につき、達成されるべき水準の摘示や具体的方法の例示がなされるものと思われる)。

一般論としては、顧客の意向が当初から明確なケースであれば、意向把握義務の履行はそれほど困難ではないかもしれない。

しかし、実際の営業現場では、顧客の意向がほとんど顕在化していないケースも少なくないと思われる。

保険業法改正案の内容が明らかになったころから、この意向把握義務の導入は銀行の保険窓販実務にとって大きな影響かあり得る旨が囁かれていたところである。

仮に意向把握義務に関する規定が修正されずにそのまま成立すれば、保険窓販を行う銀行としては、今後の保険業法施行規則の改正や保険監督指針の改正などをにらみつつ、所属保険会社とも協議しながら、顧客の意向をどのように汲み取っていくか、意向把握にあたっての業務フローの見直しなどを行っていくことになると思われる。

なお、意向把握義務も、「保険募集」のみならず銀行の「加入勧奨」に際しても課されうるが、この点は次項で述べる。

2014年7月3日