保険募集人の体制整備義務の導入

ginkouhoumu

現行保険業法上、保険会社に対してはいわゆる体制整備義務が課されている(保険業法100条の2)。

一方、保険窓販を行う銀行を含む保険募集人に対しては直接にはそのような規制は課されていない。

現行保険業法上も保険募集人に対する直接検査はなされうる(保険業法305条)ものの、保険募集人における体制整備については、あくまでも保険会社による保険募集人への指導・監督による対応が予定されてい
る。

これに対し、保険業法改正案では、規定が新設され、保険会社が監督責任を負う従来の保険募集人規制に加え、保険募集人に対してもその業務の規模や特性に応じて保険募集に係る業務を適切に行うための体制を整備することが法律上義務付けられている(以下、かかる義務を「体制整備義務」と呼称する)。

保険会社の体制整備義務と同様、保険募集人の体制整備義務も、その具体的内容は内閣府令(保険業法施行規則)等で定められるが、保険業法改正案では、保険募集人の体制整備義務として、次の5項目が掲げられている(保険会社の体制整備義務と同様である)。

1.保険募集の業務に係る重要な事項の顧客への説明
2.保険募集の業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱い
3.保険募集の業務を第三者に委託する場合における当該保険募集の業務の的確な遂行
4.二以上の所属保険会社等を有する場合における保険の比較推奨販売を行う場合における比較事項の提供
5.保険募集に係るフランチャイザー業務を実施する場合におけるフランチャイジーに対する指導の実施方針の適正な策定及び当該実施方針に基づく適切な指導(保険募集人指導事業)

これら1~5につき、当該保険募集人の業務の規模・特性に応じて、社内規則等の策定、研修の実施、内部監査におけるチェック等が内閣府令(保険業法施行規則)や保険監督指針等で求められることになると思われる。

この点、業務の規模としては、例えば、「個人で業務を実施しているか/多数の店舗・従業員を用いているか」などがメルクマールとして考えられると思われる。

また、業務の特性としては、例えば、「保険会社からの管理・指導のとおりに業務を行っているか/複数保険会社の保険の比較推奨や保険募集人指導事業等の保険会社による管理・指導を離れた独自の業務を行っ
ているか」などがメルクマールとして考えられると思われる。

仮に体制整備義務に関する規定が修正されずにそのまま成立すれば、当該銀行がその対象となるかどうかが関心事となるう。銀行は多数の店舗・従業員を用いているため、業務の規模としては大規模な保険募集入と
いうことになると思われるので、業務の特性の点で比較推奨販売などを行っているかが体制整備義務の対象となるかのポイントの一つとなり得るように思われる。

2014年8月6日