保険募集の基本的ルールの創設

ginkouhoumu

現行保険業法上、保険窓販に際して課される情報提供に関連する規制は数多い。

例えば、顧客に対する説明(保険業法294条、同施行規則227条の2)、虚偽説明の禁止・重要事項の説明義務(同300条1項1号)、虚偽告知等の禁止(同2号、3号)、不利益事実を説明しない乗換募集の禁止(同4号)、誤解を与える他の保険との比較表示等の禁止(同6号)、断定的判断の提供の禁止(同7号)、重要事項に関する不当表示等の禁止(同9号、同施行規則234条1項4号)などが挙げられる。

このうち、重要事項の説明義務においては、銀行の顧客(保険契約者または被保険者)に対する情報提供義務の対象は「重要な事項」とされている。この「重要な事項」は、一般には「保険契約を締結するか否かの
判断に重大な影響を及ぼす事項」と解されているものの、少なくとも文言上はその内容が一義的に明確とまでは言い難い。

他方、現行実務では、保険監督指針に定められている「契約概要」や「注意喚起情報」について説明のうえ、これらが記載された書面や契約のしおりや約款等を交付すれば「重要な事項」について一応の説明をした
と考えて差し支えないとされている。

これに対し、保険業法改正案では、次の規定が新設され、保険窓販に際して、銀行において、商品情報など、顧客が保険加入の適否を判断するのに必要な情報の提供を行うことが法律上義務付けられている(以下、
かかる義務を「情報提供義務」と呼称する)。

<保険業法改正案294条1項>

保険会社等若しくは外国保険会社等、これらの役員(保険募集人である者を除く)、保険募集人又は保険仲介人若しくはその役員若しくは使用人は、保険契約の締結、保険募集又は自らが締結した若しくは保険募集を行った団体保険(団体又はその代表者を保険契約者とし、当該団体に所属する者を被保険者とする保険をいう。次条、第294条の3第1項及び第300第1項において同じ)に係る保険契約に加入することを勧
誘する行為その他の当該保険契約に加入させるための行為(当該団体保険に係る保険契約の保険募集を行った者以外の者が行う当該加入させるための行為を含み、当該団体保険に係る保険契約者又は当該保険契約者と内閣府令で定める特殊の関係のある者が当該加入させるための行為を行う場合であって、当該保険契約者から当該団体保険に係る保険契約に加入する者に対して必要な情報が適切に提供されることが期待できると認められるときとして内閣府令で定めるときにおける当該加入させるための行為を除く。次条及び第300第1項において同じ。)に関し、保険契約者等の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、保険契約の内容その他保険契約者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない。

ただし、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。

2014年7月3日